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3月
今年も妖精さんたちの春のパレードがやってきた!

遠くから聞こえてくるパレードの音楽に、私の胸がときめく。
春の始まりを告げる妖精さんたちが、もうすぐやってくるんだ!

「毎年この日が待ち遠しいよ!パレードを見ると幸せになれるんだ」
「早く暖かい春にしてくれないかな!まだ寒くて、夜は特に凍えそうなの」

みんなが楽しみにしているパレードの指揮者は、妖精のお姫様だ。
ずっと私の憧れで、今日のことを考えるとドキドキして眠れなかった。

両手で胸を抑えたとき、空まで届くようなトランペットの音がして__

「みんな!新しい春が来るよ!私のトランペットで、笑顔いっぱいになろう!」

鼓笛隊のリーダーの1人、ガーベラの妖精さんだ!
いつもとっても元気で、いざとなったらお姫様を守るかっこいい妖精さんなの。

「さぁ!パレードの始まりだよ!」

すると今度は、思わずダンスをしたくなるようなドラムの音が鳴る。

「みんな!私のドラムと一緒に、音楽にのって踊りましょう!」

鼓笛隊のもう1人のリーダー、スミレの妖精さん!
みんなから頼りにされている、しっかり者のお姉さんだ。

「なんて素晴らしい音色なんだろう!」

それは私たちの心をつかんで離さないような、ずっと聞いていたくなる音楽。
みんなが嬉しそうに踊り始めたとき、バラの香りがふわっとあたりを包んだ。

「みんな元気? 春を連れてきたよ!」
「お姫様だ!」

かわいいピンク色の髪に、お花がたくさんのったドレスがステキなお姫様。
私はお姫様の真似をして、服の裾をふわりと揺らす。

「私たちのパレードで、みんなをハッピーにしてあげる!」

そう言ってお姫様が手をかざすと、バラの花びらが空を舞い__

寒かった冬があたたかい春に変わっていく。

私は花びらを手に取ると、すんと匂いを嗅いだ。とってもいい匂い。
私もあんな風に、可愛い笑顔でみんなを幸せにしたいなぁ。

「ハッピースプリング!」
「ハッピースプリング!」

みんなはそう口々に言うと、身に付けていたマフラーや帽子を投げて春のお祝いを始める。
私も嬉しくなって、つけていた手袋を空に投げた。

「お姫様!ハッピースプリング!」

「ふふ!ありがとう!」

私に気付いて、ふわりと笑うお姫様。
……夢みたい!お姫様が私に手を振ってくれるなんて!

妖精さんが春を告げる、とってもステキで楽しいパレード。
いつか私も、お姫様みたいになりたいな。